【書評】「やり抜くための9つの習慣」成功者達に共通する思考と行動

「成功したい」

私もあなたも含め、この世に生きる殆どの人がそう思っているでしょう。

でも、実際に自分の人生が「成功している」と胸を張って言えるのは

一握りの人々だけです。

では「成功者」と呼ばれる人達は何故成功できたのでしょうか?

 

今回紹介する書籍「やり抜くための9つの習慣」には、

成功の最大の理由は才能でも運でもお金でも無く、

成功者達に共通する「ある種の思考や行動」だと書かれています。

 

本書はアメリカの社会心理学者 ハイディ・グラント・ハルバーソン氏が、

これまで数多の心理学者達が研究してきた成功者達に共通する思考や行動の

パターンを分類し「9つの習慣」にまとめて紹介した本です。

ページ数は100ページ程度と1日で読んでしまえる位コンパクトですが、

内容は濃密で、心理学的に効果があると認められた思考、行動の方法が

わかりやすく、実践しやすい形でまとめられています。

 

今回は、本書の中でも私が特に重要だと感じた3つの内容

「目標の立て方」「計画を実行に移す際のコツ」「誘惑に打ち勝つため技術」を

紹介していきたいと思います。

1.目標の立て方

まずは本書に書かれている、成功を収めるために効果的な目標の立て方を紹介します。

本書には、目標を立てる時のポイントは「具体的にする」事だと書かれています。

例えば……

「痩せる」ではなく「3ヶ月後までに5㎏痩せる」

「仕事で結果を出す」ではなく「来月の営業成績を10%アップさせる」

といった風に、何を持って成功とするのか具体的にすると、

目標の成功確率が上がると言うことです。

 

何故かと言うと、

まず目標が具体的にイメージ出来れば、目標と現在の自分との距離が明確になります。

距離がわかれば、目標に至るために自分がこれから何をすれば良いかもわかります。

何をすれば良いのかがわかっているので、目標を具体的な行動計画に

落とし込みやすくなる、というわけです。

例えば「来月の営業成績を10%アップさせる」と目標を立てると、

次は成績を10%上げるためには何をすれば良いのか、と考えるでしょう。

そうすると、アポの電話をかける回数を増やす、成約率を上げるための

トーク術を磨く、といった行動計画が思い浮かびます。

具体的な行動計画が立案出来れば、後はそれを実行していく事で目標、

引いては成功に近づけます。

 

しかしながら人間は弱いもので、折角立案した素晴らしい計画も、

忙しさや怠け癖によってしばしば計画倒れに終わってしまいます。

では、計画を行動に移すためにはどうしたら良いのでしょうか?

そのためのヒントを、次のポイントで紹介します。

2.計画を実行に移す際のコツ

計画を行動に移せる可能性が実に300%も高まると心理学的に実証されている

テクニックが本書で紹介されています。

その名は「if-then プランニング」

やり方は簡単で、行動計画を立てる際に「(if)もしXだったら、(then)Yをする」

という風に「いつ」「何を」やるかを、はっきり決めておくだけです。

具体例を以下に挙げますので参考にしてみて下さい。

(if)もし、午前7時になったら
(then)机に向かい、ブログを書く

(if)もし、午前中に資料が仕上がらなかったら
(then)午後最初の仕事は、その資料を仕上げる事にする

このシンプルな行動計画は通常の目標設定よりも脳が記憶し易いようで、

実際に心理学の実験でも「if-then プランニング」を使うだけで、計画の実行率が

上がったという結果が多数出ているそうです。

3.誘惑に打ち勝つため技術

最後に、目標達成のための最大の敵である「誘惑」に打ち勝つための

技術を紹介します。

ダイエット中にコンビニで見かけるスイーツ、

勉強中についつい触りたくなるスマホ等々、

私達の日常は誘惑で溢れています。

それらの誘惑を払いのけ、目標に向かうための行動に集中するためには

どうしたら良いのか?

本書では3つの技術が紹介されています。

①意志力を鍛える
誘惑に打ち勝つために必要なのは「意志力」ですが、

本書によればこの「意志力」は、筋力のように鍛える事が出来るそうです。

鍛え方は単純で、気の進まない事を毎日、意志の力でやってみることです。

例えば「帰宅したら5分部屋を掃除する」「猫背になっていると気づくたび、

背筋を伸ばす」といった小さな事で良いので、

毎日続ける事で意志の力が鍛えられます。

②誘惑を遠ざける

実は意志力というのは有限で、どんなに意志の強い人でも

誘惑に負ける瞬間があるそうです。

それ故に、意志力を鍛える事は勿論大事ですが、

それと同じ位、誘惑を遠ざけてそもそも意志力を使わない、

という事も重要になってきます。

実は「意志が強い」と思われている人ほどこういった誘惑を遠ざけるための

「環境作り」が上手いのです。

例えば、スイーツの誘惑に近づかないため、帰り道はコンビニを通らない道を選ぶ、

勉強中はスマホの電源を切って鍵付きの箱に入れておく、といった具合です。

③代替 if-then プランを用意する
最後に誘惑に負けそうなった時の対策として

「代替 if-then プラン」を紹介しましょう。

これは、事前に誘惑となり得る事を予想しておき、それに対する

「代替 if-then プラン」を用意しておくというものです。

具体例を挙げましょう。

今回はダイエット中なのにラーメンを食べたくなる誘惑に打ち勝ちたい、とします。

この場合、以下のように代替行動を用意します。

(if)もし、ラーメンが食べたくなったら
(then)ナッツを3粒まで食べる

単純ですが、このように「代わりに~する」という代替行動を用意した方が、

単に「ラーメンを食べてはいけない」と考えるより遥かに誘惑に打ち勝てる

可能性が上がる事が、実験によって証明されているそうです。

 

今回紹介した以外にも本書には、成功を導くために有益で、

日常生活に取り入れやすい「グリット」「成長ゴール」といった習慣が

多数紹介されています。

今よりも成長したいと思っている方や、目標を立てても中々達成出来ない、

という悩みを抱えている方は、本書を参考に目標の立て方や行動を

見直してみてはいかがでしょうか。

 

 


【書評】「続ける習慣」に学ぶ習慣化を成功させるためのテクニック

「人生を成功させるコツは何か?」

この問いに対する答えは人それぞれ。

でも、コツコツと毎日努力を積み重ねること、

即ち「習慣化」がその答えの1つである事は間違い無いと思います。

 

ただ、口で言うのは簡単ですが、実際に何かを「習慣化」することは中々難しい。

これを読んでいるあなたも、新しい習慣にチャレンジしたは良いけど、

三日坊主で失敗してしまった、という経験が一度や二度はあるのではないでしょうか。

かく言う私も、自慢になりませんが人並以上に習慣化に失敗してきました。

「英会話」「運動」「習い事」「TwitterSNSでの発信」「カメラ」etc……

枚挙に暇がありません。

 

そんな「三日坊主のプロ」だった私がある時、

「ダイエットを習慣化して痩せたい」と思い立って手に取った本が、

今回紹介する「続ける習慣」です。

 

結果から言えば、この本に書かれた方法に沿って

レコーディング、糖質制限、筋トレといったダイエットを習慣化したところ、

私は1年で30㎏の減量に成功しました。

そんな私だから自信を持って言えます。

この「続ける習慣」に書かれているテクニックを実践すれば、

三日坊主でも習慣化を成功させる事が可能です。

 

「続ける習慣」を読むまで私は、習慣化の試みが成功しないのは自分の性格、

具体的に言えば、飽きっぽさや意志の弱さに原因があると思っていました。

でも、この本を読んで考えが変わりました。

私が、そして世の中の多くの人が習慣化に失敗してしまうのは、

性格の問題ではなく、正しいやり方を知らなかっただけなのです。

 

声を大にして言いたい、習慣化のカギは性格ではなく正しいやり方を知る事、

言ってしまえば「テクニック」なのだと。

……前置きが長くなりましたが、この「続ける習慣」に書かれている習慣化のコツを

紹介していきたいと思います。

 

この本では様々な習慣化のテクニックが書かれていますが、その中でも特に重要だと

私が考えるのは「1つの習慣に絞る」「ベビーステップで毎日続ける」

「仕組み化する」の3つです。

それではこの3つのテクニックについて、1つずつ詳細を解説して行きましょう。

①1つの習慣に絞る

習慣化のテクニック1つ目は「1度に習慣化するのは、1つの習慣に絞る」事です。

何かを習慣化したい時私達は、無意識の内に複数の習慣を

同時に継続しようとしがち。

例えば、私はダイエットをしようと思い立った時、

様々な本やネット記事から情報を収集した上で

「レコーディング」「糖質制限」「筋トレ」の3つを習慣化しようとしました。

しかし、この本を読んだ後、この方法では失敗する確率が高いと判断しました。

何故なら、私が思い立った方法でダイエットを実践しようとすると、

「記録」「食事」「運動」という3つの習慣を同時に習慣化する必要があります。

1つの事を習慣化するだけでも大変なのに、2つも3つも同時に

習慣化しようとするとハードルが高くなり、挫折しやすくなるというのが

この本の主張だ。

 

まずは1つの習慣で良いから1ヶ月かけて習慣化し、

それが軌道に乗ってから2つ目の習慣化に挑戦した方が

成功率が高いというわけです。

というわけで私は最初の1ヶ月、カロリーと体重のレコーディングに

絞って習慣化に取り組む事にしました。

2.ベビーステップで毎日続ける

習慣化のテクニック2つ目は「最初はベビーステップでとにかく続ける」です。

この本によると、新たな習慣を身につけようとして失敗した人の約4割が、

最初の1週間で挫折しているそうです。


そこで著者は、挫折しやすい最初の1週間を乗り切るために、

ベビーステップ=赤ちゃんの一歩で良いからとにかく毎日続ける

クセをつけようと提唱しています。


具体的には、毎日1時間の勉強が目標ならテキストを開くだけ、

毎日30分のランニングが目標なら外に出てウォーキングするだけ、

と言ったように、本来身に着けたい習慣を継続し易い時間、量まで縮小して、

とにかく継続することに専念して最初の1週間を乗り切るということです。

 

私の場合「最初は体重を毎日測って記録するだけ」というベビーステップで

最初の1週間を乗り切ることに成功しました。

3.習慣を仕組み化する

習慣化のテクニック3つ目は、意志の力を使わなくても続けられるように、

毎日の習慣を仕組み化してしまう事です。

仕組み化とは、例えば筋トレの習慣化が目標なら、ボディビルダー

写真を部屋に貼ってモチベーションを上げる、といったように、

自分が習慣に取り組み易くなる仕掛け、本書で言う所の「継続スイッチ」を

使って習慣化し易い環境を作り上げる事です。

 

この継続スイッチには「ご褒美を用意する」「習慣仲間を作る」「罰ゲーム」等

様々な種類があり、何が合うのかは人それぞれです。

「続ける習慣」には多くの継続スイッチが事例と共に紹介されているので、

自分にどの継続スイッチが合うかわからなければ片っ端から試し、

ツボにハマるスイッチを探してみるのも良いと思います。

 

ちなみに私には「みんなに宣言する」というスイッチが一番自分に合っていました。

職場の同僚達に「今日からダイエットをする」と宣言し、周りの注目を浴び、

自分の逃げ道を無くすことで、ダイエットせざるを得ない状況を作り上げました。

おかげで「今日位はラーメンを食べて良いかな」という考えが頭にチラついても、

「いやいや、ダイエットに失敗したらみんなに笑われる!」と思い直し、

強い気持ちで我慢する事が出来たのです。

 

このように「続ける習慣」に書かれた方法に従ってまずは「レコーディング」、

その後「糖質制限」「筋トレ」と習慣化していった私は、

なんと1年で98㎏→68㎏と、30㎏の減量に成功しました。

意志が弱いと思っていた自分でも習慣化に成功して結果を出せた事は

自信になりましたし、周りから「痩せたね」と言われるようになったのは

本当に嬉しかったです。

 

意志の弱い「三日坊主のプロ」だった私でも習慣化に成功できたのですから、

習慣化のテクニックさえ知っていれば意志力に関わらずどんな人でも習慣化を

成功させる事が出来る、と今では確信しています。

 

「習慣化できない」とお悩みの方は是非この本を手に取り、

習慣化のテクニックを学び、実践してみてはいかがでしょうか。

「続ける」習慣

【書評】「史上最強の哲学入門」最高に熱い哲学入門書

 

 

最高に熱く、面白く、何よりわかりやすい哲学入門書に出会ってしまいました

それがこの本、飲茶氏著「史上最強の哲学入門」です。

 

「教養として哲学を学んでみたい。でも難しそう……」

それがこの本に出合う前の私の率直な気持ちでした。

 

実はこれまでも、哲学入門と題された本には何度か挑戦してきました。

どの本にも「イデア」「経験論」「実存主義」「構造主義」といった、

聞き慣れない単語いくつも並び、わからないなりに何とか解説を読み進めるのですが、

読了しても特に何かを得られたという感覚はありませんでした。

 

ですが、この本はそんな普通の哲学入門書とは違いました。

まず、表紙が違います。

「バキ」で有名な板垣恵介氏の手で描かれたインパクト溢れる老人の横顔。

大書された「史上最強の哲学入門」という挑戦的なタイトル。

思わず手にとってしまう魅力に溢れた表紙です。

 

中身も違います。

まず、著者である飲茶氏はまえがきでこう言います

 

哲学者とは、バキに出てくる格闘家と同じである

 

ちょっと何を言ってるのかわからないと思います。私もそうでした。

でも、読み進める内に飲茶氏の言わんとすることが理解できました。

漫画「グラップラー刃牙」の中にこんなセリフがあります。

 

「地上最強を目指して何が悪い!!!

人として生まれ男として生まれたからには誰だって一度は地上最強を志すッ

地上最強など一瞬たりとも夢見たことがないッッ

そんな男は一人としてこの世に存在しないッッ

それが心理だ!!!」

 

このセリフにあるように地上最強を一度も夢見たことがない男がいないのと同じで、

真理について一度も考えたことが無い人も恐らくいない、というわけです。

「いやいや、俺は真理についてなんて考えたこと無いよ」

そんな風に思う人も、例えば以下のような問いについて

考えたことはあるのではないでしょうか。

  • この世界はどのようにして生まれたのか?
  • 何故、自分という人間はこの世に生まれたのか?
  • 人はどのように生きるべきか?
  • 死とは何か。人は死んだらどうなるのか?

本書によれば、このような答えの無い問いに対する解答こそが真理なのです。

そう、バキ風に言えば、誰もが一度は真理に向き合います。

でも、ある人は受験勉強に、ある人は仕事の忙しさに、

ある人は答えの出ない問いについて考える虚しさに屈して、

真理の探究をあきらめてしまいました。

でも、それでも真理の探究を諦めなかった人々がいます。

答えの無い問いに対する答えを追い求め、

自分なりの最強の「論説」を打ち出した者達がいたのです。

それが「哲学者」

 

バキの格闘家が肉体的な強さによって地上最強を目指す者達なら、

哲学者達は知によってより強い「論説」を生み出し、

史上最強の真理を目指す者達というわけです。

 

こんな風に考えると、哲学者達の生き様や論説に触れてみたくならないでしょうか。

この本には最強の真理を追い求めた31人の哲学者が紹介されています。

著者飲茶氏が、彼らが生きた時代、その生き様、そして彼らが真理に立ち向かった末に

打ち出した「論説」について、熱のこもった筆致で、わかりやすく解説してくれます。

 

哲学書にありがちなわかり辛い言葉は極力使わず、

哲学を熱く、わかりやすく語ろうとする著者の思いが伝わってくる良書だと思いました。

 

この本で語られる哲学者達は誰もが魅力的です。

  • 真理なんて人それぞれ違う、とクールに言い放った弁論術の達人「プロタゴラス
  • 対話によって真理に近づこうとし、最期は死刑に処された元祖哲学者「ソクラテス
  • 全てを徹底的に疑った末に、絶対に疑えない所から真理の探究を始めよう、
  • と近世哲学のスタート地点を作った男「デカルト
  • 論説をぶつけ合うことでより真理に近づくという、真理への道筋を示した「ヘーゲル
  • いつ到達から出来るかわからない絶対的な真理じゃなく、今、自分が生きていく上での答えが欲しいといった実存主義の祖「キルケゴール
  • 神は死んだと既存の道徳をぶち壊し、
  • 新たな時代を生きるための哲学を示した「ニーチェ

等々、多種多様な論説を語る哲学者達が登場します。

きっとこの本を読めば、あなたにもお気に入りの哲学者が見つかることでしょう。

 

史上最強の哲学入門

史上最強の哲学入門

  • 作者:飲茶
  • 発売日: 2016/08/05
  • メディア: Kindle
 

 

ご挨拶

お読みいただきありがとうございます。

げおるぐと申します。

 

生まれは石川県で現在は東京都に在住。

IT系の企業にて会社員をしています。

 

このブログでは読んだ本の紹介を中心に、

面白いと思ったこと、学びに繋がったことを皆さんに共有したいと考えています。

どうぞよろしくお願いします。